京都の夜景
夜の京都の街をそぞろ歩くのも風情があるものですが、高いところから夜の京都を眺めるのも、また別の味わいがあります。
黒いビロードに宝石をまきちらしたような京都の夜景をお楽しみください。
万灯呂山展望台
夜景スポットとしては一番のお勧めです。
芝生に座って、標高300mから京都市内から奈良市までながめることができます。静かですから、遠く電車の音まで聞こえます。
万灯呂山という山はありません。正しくは大峰山といいますが、山焼きの松明(たいまつ)が万灯呂のように見えたとか、雨乞いのために松明行列をしたからとか、万灯呂山の由来にはいろいろな説があります。
雰囲気も眺めもいいのですが、アクセスがよくありません。道は舗装されていますが、とても狭いのです。京名和道路の田辺西ICから山城多賀方面へ30分ほど走ります。駐車場で下りると、すぐ展望台です。
自動車を使わない場合は、京都駅からJR奈良線に乗り、山城多賀駅で下ります。そこから展望台まで40分歩きます。
夏の一時期をのぞいて、展望台は1日中開放されています。
7月20日~8月31日 平日 17:00~ 通行禁止
土日 22:00~ 通行禁止
四明嶽駐車場
比叡山ドライヴウェイの四明嶽駐車場は標高813mから京都市と大津市の夜景を見ることができます。とっぷり暮れた夜の景色も何百万個の宝石をまいたように豪華ですが、夕暮れから夜に変わる眺めも美しいものです。あかね色の空が少しずつ紫色になり、こいグレーから黒に染まる様子、街々に灯がともりはじめる頃の風情は言葉にあらわしにくいほどです。
四明嶽の駐車場で下りると、すぐ展望台です。案内に従って第二駐車場まで行くと、車に乗ったまま車窓から夜景が楽しめます。ただし、10台程度しか駐車できません。
駐車場の営業時間は季節により変わります。どの季節でも、入場は終了時の1時間前までです。
1月上旬~3月上旬 20:00まで 3月上旬~6月末 23:00まで
7月・8月 24:00まで 9月 ~ 11月末 23:00まで
12月~1月上旬 22:00まで
眺めは最高にいいのですが、ちょっと費用がかかります。
比叡山ドライヴウェイは大津市田の谷峠から比叡山根本中堂・比叡山山頂を結ぶ8.1㎞にわたる有料道路で、田の谷峠から四明嶽駐車場までの往復に1670円かかります。
京都駅から比叡山山頂へ行く比叡山ドライブバスもありますが、京阪バス・京都バスとも昼間の運行です。
京都タワー
東にスカイツリーがあれば、西には京都タワーがあります。地上100mの高さから、「千年の都」京都市全体を眺めることができます。
エレベーターに乗ると、スピーカーから「ようこそおこしやす」という京都弁のあいさつが流れ、続く説明も、すべて京都弁です。はんなりした京都弁を聞きたい人にはお勧めです。
夜は自動車のライトにより、走る道が碁盤(ごばん)の目のようになっているのが、よくわかります。
面白いのは、京都一の繁華街である四条河原町から祇園へかけての一帯を中心とする北の方が、南よりも光が少ないことです。これは、京都市内の建造物に高さの制限があるためです。
営業時間は21時までですが、入場は20時40分までです。
利用料は770円です。
京都駅のまん前にあるので、アクセスは最高にいいですよ。
将軍塚と大日堂
さて、最後のお勧めスポットが将軍塚です。
ここは、桓武天皇が京を都と定めた時に、国家を守護する将軍像を造り、甲冑(かっちゅう)を着せ、弓矢を持たせて埋めたため、将軍塚と呼ばれるそうです。
また、征夷大将軍(せいいたいしょうぐん)、坂上田村麻呂(さかのうえたむらまろ)が葬られた場所という説もあるようです。
日本の国に一大事が起きる時、この将軍塚が鳴りひびき、動くと言われています。
2014年10月、この将軍塚の青竜殿に「清水の舞台」の4.6倍という広さの大舞台が完成しました。
将軍塚は東山粟田口の青蓮院の飛び地です。青蓮院の寺宝として有名な「青不動」の絵を修復してまつったのが青竜殿です。
青竜殿は明治から大正時代の最高木造建築といわれる「平安道場」を移築したものなので、舞台も木造になっています。
この舞台は標高216m、八坂神社の真東にあります。目の前に銀閣寺、京都御所、さらに京都市中心部が一望できます。晴れていれば、大阪まで見えます。
ただ、この舞台から夜景が眺められるのは、春と秋のライトアップ期間だけです。
2015年春のライトアップは3月27日から4月12日までです。時間は17:00~21:00です。夜桜と夜景が楽しめるので、かなり人出が多いでしょう。
また、西の展望台からは五山送り火をすべて眺めることができます。
大日堂は青蓮院飛び地の中にある寺で、大日如来をおまつりしています。美しい庭園と「天望台」と称する展望台で知られています。ここも、春と秋、大文字送り火の時しか夜景を楽しめないようになっています。けれど、春と秋には庭園がライトアップされますし、東山連峰や白川地区が一望できて、「夜景の美しさは将軍塚よりもすばらしい」とほめる人が少なくありません。
将軍塚と大日堂へのアクセスは、地下鉄東西線蹴上駅からタクシーを利用するのが一番便利です。
昨年2014年10月~12月のライトアップ期間中は、青蓮院からシャトルバスが運行されました。