祇園祭2015年の日程
祇園祭は京都東山の八坂神社の祭礼です。明治までは「祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)」と呼ばれたため、現在も祇園祭と言われています。
7月1日から始まり7月末まで続く長いお祭です。
祇園祭の歴史
祇園祭の始まりは9世紀中頃、疫病が流行したため、薬師如来(やくしにょらい)の化身である牛頭天王(ごずてんのう)をまつり、怨霊(おんりょう)をしずめる御霊会を行ったことに始まると言われます。
10世紀中頃からは、毎年行われるようになりました。牛頭天王は祇園舎の守護神であるため、「祇園御霊会」と呼ばれたのです。祇園舎の周囲一帯も祇園と呼ばれるようになりました。神道と仏教の入り混じった儀式は、今も受け継がれています。
室町時代には、四条室町を中心とする商工業者(町衆)が町ごとに特色のある鉾(ほこ)を造り、巡行(じゅんこう)させるようになりました。応仁の大乱で一時的に中止させられましたが、町衆の力で祭を復活、続行させました。
江戸時代が終わり、明治になると、祇園舎は八坂神社となりましたが、祭は祇園祭のままでした。
第二次世界大戦中は中止されましたが、終戦後1947年には祭の復興が始まりました。復興は続き、今も百年以上とだえていた鉾を復活させたりしています、
2014年には、長く中止されていた「後祭(あとまつり)」も復活され、山鉾巡行も、前祭(さきまつり)と後祭の2回行われるようになりました。
祇園祭の行事
祇園祭の行事は、山鉾町主催と八坂神社主催に分けられます。
山鉾町主催の行事が祇園祭と思われることが多く、特に山鉾(やまぼこ)行事は重要無形民俗文化財に指定されています。
山鉾行事は前祭(さきまつり)と後祭(あとまつり)に分けられ、それぞれに宵山と山鉾巡行があります。
前祭は7月14日~17日、後祭は7月21日~24日です。
前祭の宵山は7月14日~16日、山鉾巡行は7月17日です。
後祭の宵山は7月21日~23日、山鉾巡行は7月24日です。
八坂神社が主催するのは神輿渡御(みこしとぎょ)で、神幸(しんこう)と還幸(かんこう)があります。「花笠連合会」による花笠巡行も八坂神社に属します。
神輿渡御の神幸は7月17日、還幸は7月24日です。花笠巡行も24日です。
祇園祭の行事日程
7月 1日 祇園祭吉符(きっぷ)入り
2日 くじ取り式 長刀(なぎなた)鉾以外の山鉾の巡行順序を決めます。
10日 神輿洗い 鴨川四条大橋の上で神輿を清めます。
お迎え提灯 神輿を迎えるために提灯(ちょうちん)行列をします。
10日~14日 鉾建て 山建て 山鉾の準備をします。
12日~14日 鉾曳初め(ほこひきそめ) 各町内で行われます
13日 稚児社参 長刀鉾に乗る稚児さんが八坂神社へお参りします。
15日 宵々山
16日 宵山
17日 前祭 山鉾巡行
神幸祭 神輿が祇園石段下から四条の御旅所へ運ばれます。
21日~23日 後祭宵山
24日 後祭 山鉾巡行
還幸祭 神輿が御旅所から八坂神社へ戻ります
28日 神輿洗い
29日 神事済奉告祭 祇園祭のすべての神事が終了します
山鉾巡行経路と辻回し
9:00、四条烏丸を出発し、いよいよ「動く美術館」の山鉾巡行が始まります。四条堺町でくじ改めを行い、9:20、四条麩屋町で長刀鉾の稚児が四条通に張り渡したしめ縄を切る「しめ縄切り」を行います。コンコンチキチ、コンチキチの祇園囃子(はやし)にのって、四条通を進みます。前祭では23基の山鉾が巡行します。
9:35、四条河原町を北に上がり、10:15、河原町御池を西に入ります。11:25、新町御池で、巡行の見どころ、「辻回し」になります。
重さ12tの山鉾の下に青竹をしき、水をまき、鉾のひき手達が「ソーレ」「エンヤラヤー」のかけ声とともに左へひきます。鉾はゴロゴロ音をたて、竹をきしませながら、90度回ります。
山鉾巡行は午前中で終了し、山も鉾もすぐに解体されます。
後祭は、9:30、烏丸御池を出発して、前祭と逆のコースを巡行します。くじ改めは京都市役所前になります。
昨年2014年に復活したもので、10基の山鉾が巡行しました。150年ぶりに大船鉾も復活しました。
前祭ほどのにぎやかさではありませんが、この日は花笠巡行も行われます。
花笠巡行は、子供神輿を先頭にして、稚児や児武者、舞妓さんに芸妓さん、ミス着物や花笠娘など女性や子供、獅子舞・鷺舞・万灯踊りなどの芸能が、数多く参加してはなやかです。
花笠巡行は、「八坂神社、四条寺町、寺町御池、河原町御池、四条河原町、八坂神社」というコースです。寺町御池から四条河原町までは、山鉾巡行のコースと重なり、山鉾の後に続く形になります。
山鉾巡行の見物
有料観覧席は河原町通りと新町通りの間の御池通りに設けられます。全席指定席で、3180円の予定です。6月上旬から予約が開始されます。
7月の京都の暑さは強烈です。どこで見物するにしても、日よけと水分補給を忘れないで下さいね。
有料観覧席の詳しいご案内はこちら
暴れ神輿
7月17日午後6時から、八坂神社で神幸祭が行われます。3基の大神輿と1基の子供神輿が祇園石段下に集結して、それぞれ別のルートで四条寺町の御旅所まで行きます。
大神輿3基を総勢1000人の勇壮活発な男達が担ぎ、祇園石段下でそろい踏みする様子は猛々(たけだけ)しく、まさに壮観です。都大路をもみにもみながら進む暴れ神輿です。四条寺町の御旅所宮入りでは、大いに煉り暴れまくります。
24日の還幸祭は神輿の暴れ納めです。神輿は各氏子町を練り歩き、祇園祭発祥の御供社へ回り、八坂神社へ帰ります。八坂神社の舞殿を三周する「拝殿回し」を行った後、最後の力をふりしぼって神輿をもみぬき、勇壮豪快に暴れた末に宮入します。