京都大文字送り火 2015年の日程
お盆、盂蘭盆会(うらぼんえ)は、お彼岸(ひがん)とならぶ仏教行事です。閻魔(えんま)様の許しを得て帰っておいでになる御先祖の霊魂をおもてなしするのです。
お盆の過ごし方は地方によっていろいろありますが、大文字送り火は京都ならではのお盆の催しといえます。
今年、2015年は8月16日に行う予定です。
大文字送り火とは?
7月13日から15日、あるいは8月13日から15日までの3日間をお盆といい、あの世から御先祖の霊魂が帰ってくるとされています。御先祖の霊を迎えるために「迎え火」をたき、帰って行く霊を送るために「送り火」をたきます。
京都では、大谷廟(おおたにびょう)などのお墓に参り、「迎え鐘」をついて「お精霊(しょらい)様」をお迎えし、五山の大がかりな送り火でお送りします。
大文字送り火の始まりは?
いろいろな説があってはっきりしません。古いところでは、平安時代に弘法大師空海が始めたともいいますが、五山送り火の記録は江戸時代に入ってからのものばかりです。戦国時代から安土桃山時代にかけて流行した大燈呂という精霊送り火の一種と民衆の信仰が、大文字送り火になったのでしょう。
五山の送り火とは?
大文字送り火は、正式には「五山送り火」といいます。「大文字焼き」は「京都では不適切な言葉」という学者さんもいます。
- 「大文字」は東山如意ヶ嶽です。20:00に点火される予定です。
如意ヶ嶽の山上弘法大師堂では般若心経を唱え、お灯明を親火に移して点火します。無病息災を願う護摩木も銀閣寺で受け付けています。
- 「妙法」は、妙が松ヶ崎西山、法が松ヶ崎東山です。20:05の点火予定です。
西山で読経が行われますが、護摩木は受け付けていません。
送り火終了後の21:00頃から、ふもとの泉涌寺で「題目踊り」「さし踊り」が踊られます。
- 「船形(船形万燈籠)」は西加茂船山です。山麓の西方寺の鐘を合図に20:10に点火される予定です。
船は「精霊(しょうりょう)船」を表しています。西方寺で護摩木を受け付けています。
- 「左大文字」は大北山です。点火は20:15の予定です。
江戸時代初期に計画があったようですが、実際には江戸時代中期から送り火に加わったと思われます。
8月16日19:00から法音寺で点火法要が行われ、1基の新火松明と40基の手松明に親火の火が移されて山上に運ばれます。また、同じ時刻に街道25ヶ所の門火が一斉にともされます。金閣寺で護摩木を受け付けています。
- 「鳥居形」は曼荼羅山です。点火は一番遅く、20:20の予定です。
松ヤニ入りの松材を燃やすので、他山よりオレンジがかった火になります。他山のように木を組まないで松明を直接突き立てるので、親火から松明に火
を移して各火床へ走ります。これを「火が走る」といいます。化野念仏寺で護摩木を受け付けます。
送り火を見るには
五山送り火全部を眺めるか、一つ二つ選んでじっくり眺めるかで、見物場所がちがってきます。送り火が見られるのは点火から約1時間です。
- 五山送り火を全部眺める
やはり高いところから見るのがいいようです。ただし、どうしても遠くから
眺めるので字が小さくなります。人出が多く、かなり混雑します。
京都タワー・京都駅ビル空中経路・インモール京都五条・吉田山と茂庵
出町三角州・鴨川堤防・高野川堤防・御園橋・船岡山公園・京都御苑
ホテル オークラ・ウェスティン都ホテル・ANAクラウンプラザ・日航プリンセス京都
京都の高層ホテルでは、「食事をしながら五山送り火を眺める」とか、「宿泊して五山送り火を眺める」とか、いろいろな企画を立てていますので、旅行社や各ホテルにお問い合わせ下さい。
- 大文字を眺めるなら、やはり鴨川堤防がいいですね。「床(ゆか)」を予約して
食事をしながら眺めるのも風流です。「京都鴨川納涼床」のサイトで気に入ったお店が見つかりますよ。予約はお早めに。
- 妙法を見るなら、北山通のノートルダム女子学院の近くか、高野川高野橋北
詰めあたりがいいでしょう。
- 船形は北山通の北山大橋から北西のところで見えます。
- 左大文字は、西大路通の西院から金閣寺のあたりからよく見えます。
- 鳥居形は嵐山の方面ですから、松尾橋や広沢の池からよく見えます。また、
渡月橋の上からは、少し遠目になりますが五山送り火が見えます。
予約は早目にするといいですよ
五山送り火は、お盆の帰省ラッシュの期間と重なります。また、五山送り火を見るために、1年前から宿を予約する人もいるそうです。ホテル・宿屋・料亭・レストランなど予約の必要な場所は、早めに手をうつといいでしょう。