高台寺
高台寺は、豊臣秀吉の正室北政所が秀吉の菩提を弔うために建てた寺です。
正式には鷲峰山(じゅぶさん)高台寿聖禅寺という臨済宗建仁寺派の寺です。
利休好みの茶室や季節ごとのライトアップなど、見どころがたくさんあります。
高台寺を建てたのは?
慶長3年(1598)、豊臣秀吉が亡くなった後、その正室北政所ねねは大坂城を去って、京都の屋敷高台院殿に移りました。「高台院」とは秀吉の死後、落飾して尼となったねねの法名です。正式には高台院湖月心尼といいます。
秀吉は側室淀君(茶々)との間に秀頼という男児をもうけました。秀吉が亡くなった時、秀頼はわずか5歳でした。
ねねは淀殿に協力して秀頼の後見をしましたが、豊臣政権を存続させるより、徳川家康の政権下で一大名として生き延びることを考えました。ねねは、秀吉子飼の大名である加藤清正や福島正則らに家康に従うように勧めました。
家康は関ヶ原の戦いに勝って天下を得ると、ねねの頼みを聞き入れて、1606年、東山に広大な寺院を建立しました。初めは曹洞宗の寺でしたが、1624年から臨済宗建仁寺派に改宗しました。
本尊は釈迦如来です。秀吉とねねの霊廟でもあります。
高台寺の見どころは?
高台寺にはいくつか有名な塔頭(たっちゅう)があります。塔頭とは、禅宗寺院の境内にある寺のことです。
圓徳院(えんとくいん)は、ねねの住まいで、最期を過ごしたと言われます。長谷川等伯の襖絵と伏見城から移築した北庭がみごとです。
月真院は、幕末、新選組から分離独立した「御陵衛士(ごりょうえじ)」の屯所となりました。隊長の伊東甲子太郎をはじめ十数人の隊士がいました。
境内には重要文化財の建築物があります。
開山堂には中興開山の三江紹益の像が安置されています。開山堂と書院を結ぶ廊の途中に観月台があります。また、開山堂と霊屋(おたまや)を結ぶ階段を臥龍廊(がりょうろう)といいます。
霊屋の厨子(ずし)の扉や須弥壇(しゅみだん)には桃山様式の蒔絵がほどこされています。高台寺には、ねねが所持していた蒔絵の調度類が数多く残されています。これらを「高台寺蒔絵」と言います。そのため、高台寺は「蒔絵の寺」とも呼ばれます。
表門も重要文化財になっています。
高台寺で茶道体験
高台寺には、傘亭・時雨亭の利休好みの茶室、灰屋紹益が建てた遺芳庵という茶室があります。
高台寺で茶道を体験することができます。まったく茶道の経験のない人でも気軽に参加できます。ただし、予約が必要です。2~3人でも、10人以上の団体でも申し込めます。申し込みは 075-561-7387までお願いします。詳しい内容はこちら
○団体様向け(10名~)立礼
お一人様:2,000円(拝観料込み)
○少人数様向け(2名~8名)
小間のお茶(玄路庵)
お一人様:3,000円(拝観料込み)
高台寺特別茶会とは
高台寺では、毎月のようにお茶会が開かれます。
1月から3月は、冬の夜の茶会「冬の夜咄」、4月は傘亭席、5月は新緑茶会、6月は遺芳庵朝茶席、7月は七夕茶席、8月は夕涼み「浴衣の茶会」、9月は秋の夜の観月茶会、10月は北政所茶会と傘亭席が開かれます。
参加を希望する方は、075-561-9966 高台寺 まで問い合わせて下さいね。高台寺特別茶会の詳しい日程や料金はこちら
ライトアップの時季は?
夜の特別拝観は年に3回行われます。日没から21:30まで受け付けます。
春は、枝垂れ桜の頃を中心に、3月中旬から5月初めまでです。
夏は、燈明会を中心に、8月1日から8月18日までです。
秋は、臥龍池・臥龍廊の紅葉で、10月下旬から12月初めまでです。
高台寺へのアクセス
京都駅から市バス206に乗って東山安井で降り、東へ5分歩きます。
阪急四条駅・京阪四条駅からは市バス207で、東山安井で下車します。
高台寺周辺のおいしいお店は?
高台寺は祇園に近いので、祇園四条の周辺には、懐石料理・小料理・創作料理の店が軒を連ねています。ねねの道沿いにも、気軽に入れる店から、予約して、ちょっと気取って入る店まで、いろいろならんでいますよ。
阿吽坊(あうんぼう)は、京料理の夕食で5千円から1万円くらいです。
高台寺羽柴はゆば料理で、2千円から5千円くらいです。
両店とも高台寺のすぐ近くにあります。
高級料亭といえば、菊乃井があります。昼のコースは8千円から1万5千円、夜のコースは2万円から3万円ですが、昼の時雨めし弁当は4千円です。
ライター 佐野 恵子