五月の京都の見どころは?
桜の季節が終わり、新緑の季節を迎えます。五月はゴールデンウィークで始まります。晩春から初夏へ移る京都の魅力は、また格別です。
ライトアップと特別拝観の青蓮院
青蓮院は京都市左京区、粟田口に近い天台宗の門跡寺院です。門跡寺院とは、天皇家や摂政関白家の子弟が門主(住職)を務めた寺院です。皇子が門主を務めることが多く、江戸時代には一時期仮御所となったため、「粟田御所」とも呼ばれます。
御本尊は熾盛光如来(しじょうこうにょらい)で、光そのものの仏様です。その化身の不動明王も、背中に火炎の光を負っていられます。
「不動明王二童子像」は国宝になっています。俗に「青不動」と呼ばれ、三井寺の黄不動、高野山明王院の赤不動とともに、三不動といいます。
このように青蓮院は光と縁が深いので、春と秋に夜の庭園をライトアップして、光の力の偉大さと美しさを広めようとしています。
春のライトアップは4月25日から5月6日までです。
飛び地境内の将軍塚青竜殿でも、同時期にライトアップします。
また、五月は小堀遠州が造った「霧島の庭」のキリシマツツジが満開になります。
五月の特別拝観は、好文亭というお茶室です。
アクセスは、京都駅から市バス5番に乗り、神宮道で降りて歩きます。
竜安寺の石庭と藤の花
竜安寺は京都市右京区にある臨済宗の寺です。妙心寺の境外塔頭です。塔頭とは禅宗の大寺院(本寺)の境内にある小寺のことです。
1450年、室町幕府管領の細川勝元により建立されました。御本尊は釈迦如来です。
枯山水の方丈石庭が有名で、「虎の児渡しの庭」と呼ばれます。白砂の中に置かれた15コの石は、見る者の心境によっていろいろに見えるそうです。
南側の大きな鏡容池を囲んで回遊式庭園が造られています。5月は庭園の藤が花盛りです。
アクセスは、京都駅から市バス59に乗り、竜安寺前で降ります。または、四条大宮から京福電鉄に乗り、竜安寺駅で降ります。7分ほど歩きます。
梅宮大社(うめのみやたいしゃ)の酒の神
奈良時代前期に創建されたと言われる古い神社です。橘(たちばな)一族の氏社でした。
祭神は酒解神(さけとけのかみ)で、酒造りの守護神です。
その他に大若子神(おおわくこのかみ)、小若子神(こわくこのかみ)、酒解子神(さけとけこのかみ)が祀られています。
5月3日は神幸祭、梅宮大社の祭礼です。
梅宮大社は、京都の梅の名所ですが、広大な境内には季節の花が次々に咲きます。五月は、藤、ツツジ、花菖蒲、水連が花盛りを迎えます。
アクセスは、京都駅から市バス28,29に乗り、梅宮大社前で降ります。
平安神宮は桜だけじゃない
枝垂れ桜が有名ですが、五月の花菖蒲(はなしょうぶ)、杜若(かきつばた)、文目(あやめ)、そして水連もみごとです。
アクセスは、京都駅前から市バス5,32,46,100に乗り、京都会館美術館前で降ります。
床(ゆか)でお食事
5月1日から鴨川の床が始まります。
川へ張り出した座敷で頂く京料理は、ひときわおいしく感じられます。
床は二条から五条までの鴨川河原に設置されます。二条から三条までを上木屋町、三条から四条までが先斗町、四条から団栗橋までが西石垣(さいせき)、団栗橋から五条までの地域を下木屋町といいます。
床では夕食だけでなく、昼食もできます。
京都鴨川納涼床協同組合まで問い合わせて下さいね。
ライター 佐野 恵子