六波羅蜜寺
念仏を唱える口から六体の阿弥陀仏が出現する空也上人像の写真は有名です。
その空也上人が開いたお寺です。
西国三十三ヶ所観音霊場の十七番札所です。
六波羅蜜寺のアクセス
六波羅蜜寺 京都市東山区五条通大和大路上ル東入ル轆轤(ろくろ)町
(松原通大和大路東入ル二丁目轆轤町)
TEL.075-561-6980
[JR京都駅から]
- 烏丸口から市バス100,206に乗り、清水道で下車。徒歩7分です。
- 八条口から市バス202,207に乗り、清水道で下車。徒歩7分です。
[京阪三条駅・祇園四条駅から]
- 京阪本線に乗り、清水五条駅で下車。徒歩10分です。
六波羅蜜寺の拝観について
境内は自由に拝観できますが、宝物館は拝観料が必要です。
境内拝観時間 8:00~17:00
- 宝物館
拝観時間 8:30~17:00(受付 16:30まで)
拝観料 大人600円 大・高・中学生500円 小学生400円
(30人以上は、団体割引があります)
六波羅蜜寺の始まりは・・・?
六波羅蜜寺は、正式には「補陀落山(ふだらくさん)六波羅蜜寺」です。
一時は天台宗のお寺でしたが、現在は、真言宗智山派となっています。
御本尊は十一面観音です。
天歴五年(951)に、醍醐天皇の皇子と言われる空也によって「西光寺」が創建されました。これが六波羅蜜寺の始まりとされています。
その頃、都には悪い疫病が流行していました。
空也は、病魔退散のために、自分で十一面観音像を刻み、車に乗せて、念仏を唱えながら市中を廻りました。
病人には、茶をたててふるまいました。
念仏を唱える時は、歓喜踊躍したと言います。いわゆる「踊り念仏」ですね。
応和三年(963)には、鴨川岸に諸寺の僧侶600人を集めて、大般若経供養会を催しました。夜には万燈会も行いました。
その頃は、鴨川岸に遺体を捨てていたので、その供養をしたのです。
この大般若経供養会をもって、西光寺(六波羅蜜寺)の創建とする説もあります。
空也の死後、比叡山延暦寺の僧中信が住職となり、天台別院として「六波羅蜜寺」と改称しました。
「六波羅蜜」とは、仏教の教義の言葉で、それを寺名にしたと言われます。
また、古くから、この土地を「六原」と呼んだためという説もあります。
平安時代の末、平忠盛が軍兵を塔頭(たっちゅう=子寺)に駐留させたのをきっかけに、平清盛・重盛父子をはじめ、平家一門の邸宅が、広大な寺領内に築かれました。それで、平清盛は「六波羅殿」と呼ばれました。
しかし、平家一門が衰退して都落ちをする時、戦火に焼かれて本堂のみが残りました。
その後、源頼朝は、寺院を復興するとともに、近くに「六波羅探題」を設置しました。六波羅探題は、鎌倉幕府が、京都の政情監察と治安維持のためにおいた役所です。
豊臣秀吉の時代に、天台宗から真言宗の寺院となりました。
秀吉に続き、徳川将軍家の庇護を受けて、寺院は栄え、今日に至っています。
空也上人と踊り念仏、皇服茶
空也上人は「市聖(いちのひじり)」「阿弥陀聖(あみだひじり)」と呼ばれます。
若い頃から阿弥陀念仏を唱えながら市中を廻り、人々に「浄土の教え」を広めました。
布教に努めるとともに、橋をかけたり、井戸を掘ったりして、社会事業も行いました。
空也上人は、宗派にとらわれない「超宗派的立場」をとり、諸宗派と関わりました。
- 阿弥陀念仏を、鉦(かね)や太鼓をたたいて、喜ばしく踊りながら唱えました。
踊躍念仏(踊り念仏)の始祖と言われています。
空也上人の影響を受けて、中世には、高野聖(こうやひじり)のような浄土教の民間行者が流行りました。
また、一遍上人は時宗(じしゅう)を開き、「念仏が阿弥陀様の教えと思うだけで、うれしくて喜ばしくて、踊り出してしまう」と言い、歓喜踊躍しながら念仏を唱えました。
- 「皇服茶」とは、六波羅蜜寺で正月三日間に授けるお茶のことです。
空也上人は、病魔退散のために市中を廻り、病人にお茶をふるまいました。
青竹を蓮片のように割り、小梅干しと結び昆布を入れて、お茶をたてました。お茶は一度仏前に供えられてから、病人に授けられました。
空也上人のお茶が、現在も伝えられているのです。
六波羅蜜寺の仏像
六波羅蜜寺の本堂や宝物館には、国宝や重要文化財に指定された仏像がたくさん安置されています。
- 木造十一面観音立像 国宝
空也自身が刻んだと伝えられる、西光寺の本尊となった十一面観音です。
258㎝の巨大な立像ですが、1本の木から彫り上げたものです。
柔和な表情の観音様ですが、12年に1度、辰年にしか公開されない秘仏です。
平安前期から平安後期の和様彫刻に至る過渡期の作品です。
- 木造空也上人立像
鎌倉時代の仏師、運慶の四男康勝の作品です。
わらじをはき、首から鉦をさげ、右手に鉦をたたく撞木(しゅもく)、左手に鹿角の杖を持った立像は、「市聖」と呼ばれる空也上人をよく表しています。
口から出ている六体の阿弥陀仏像は、「南無阿弥陀仏」の六文字を意味します。
- 木造平清盛座像
鎌倉時代の作品です。
僧形の清盛がお経を持って座っています。
- 木造地蔵菩薩坐像
鎌倉時代、名仏師運慶の作と伝えられますが、銘がありません。
さわやかにひきしまった顔立ちから、運慶の作品と考えられています。
- 木造四天王像
平安時代、西光寺創建時の作品のようです。ただし、増長天のみは、鎌倉時代の補作と言われます。
現在、増長天と持国天は、六波羅蜜寺宝物館に安置されています。
多聞天と広目天は、京都博物館にあります。
- 木造薬師如来坐像
平安時代の作品です。
- 木造地蔵菩薩立像
平安時代の作品です。六波羅地蔵堂に安置されていました。
左手に頭髪を持っているので、「鬘(かつら)かけ地蔵」と呼ばれます。
今昔物語にも出てくる有名な地蔵菩薩像です。
- 木造運慶・湛慶坐像
鎌倉時代の作品です。
名仏師湛慶と運慶の父子の像と、伝えられています。
湛慶像の顔は、まさに、老いた職人の意地と誇りに満ちています。
- 木造閻魔像
鎌倉時代の作品です。
- 木造弘法大師坐像
鎌倉時代、快慶の弟子長快の作品です。
- 木造吉祥天立像
鎌倉時代の作品です。
- 重要有形文化財
泥塔・皇服茶碗・万燈会道具など、2,100点以上あります。
六波羅蜜寺でランチ
祇園四条から建仁寺や高台寺にかけて、味自慢のお店がたくさんあります。
ここでは、六波羅蜜寺近辺、京阪本線清水五条駅周辺のお店を紹介します。
- 半兵衛麩(はんべえふ) 京麩・湯葉料理
元禄二年(1689)創業の京麩の老舗(しにせ)です。
いろいろな製品の並ぶ店の奥に茶房があり、食事ができます。
麩と湯葉を季節ごとにアレンジした料理が、自慢です。
生麩のしぐれ煮や生麩田楽が入る「むし養い料理」は3,240円です。
食事は予約が必要です。
京阪本線清水五条駅からすぐです。
営業時間 11:00~16:00(14:30 入店) 製品販売 9:00~17:00
電話 075-525-0008
- 鐘園亭(しょうえんてい) ラーメン・餃子
京壬生菜(みぶな)と九条ネギをたっぷり使った、あっさりした京風餃子です。
九条ネギをたっぷりつかったネギそばもお勧めです。
ネギそば630円、餃子弁当780円、ネギそばと餃子のセット800円、ネギそばと焼き餃子10個のコラボ、びっくりそば900円です。
クーポンがあります。印刷してお持ちください。
市バス停留所清水道からすぐです。
京阪本線清水五条駅から徒歩10分です。
営業時間 11:00~14:30(LO) 17:00~21:00(LO)
電話 075-541-0884 050-5869-9461(予約専門)
- 食之源 中華料理
ちょっと変わった、やさしい味付けの京風中華料理の店です。青椒肉絲定食など各種定食は700円前後、酢辣麺780円と、値段もリーズナブルです。
市バス停留所清水道から徒歩1分です。
京阪本線清水五条駅から徒歩12分です。
営業時間 11:00~23:00
電話 075-525-5151
- 純心庵 ステーキ・肉料理
お肉をたっぷり食べたい人には、ぴったりの炭火焼きステーキのお店です。
ランチメニューは、ハンバーグ・テキ重・純心庵風ステーキカレー、2,400円、
コースは3,000~7,800円です。
月~木のランチ営業は要問合せ。予約して行く方がいいですよ。
京阪本線清水五条駅から徒歩3分です。
営業時間 金・土・日12:00~14:00 18:00~23:00
月~木 ランチ営業も可 18:00~23:00
電話 075-525-5068
- 阿吽(あうん) お好み焼き 鉄板焼き
粉物はやはり関西ですね。
元気のいいスタッフがきびきび応対してくれて、気分がいいお店です。
豚玉700円、すじ焼き500円、イカ焼き500円と、値段も快適です。
京阪本線清水五条駅から徒歩10分です。
営業時間 11:00~14:00 17:00~23:00
電話 075-551-8780