京都 晴明神社
晴明神社は、陰陽師(おんみょうじ)安倍晴明を祀った神社です。
場所も一条戻り橋、晴明さんのお屋敷だったところです。
厄除けや厄払いに御利益がありそうな神社ですね。
フィギュアスケートの羽生弓弦選手も、参拝して絵馬を奉納していますよ。
晴明神社へのアクセス
晴明神社は京都市上京区晴明町806番地1にあります。
一条戻り橋の北西のたもとにあった安倍晴明の屋敷跡に建てられています。
1005年、安倍晴明が亡くなりました。
一条天皇は晴明の死をいたみ、その功績をたたえるために、1007年に屋敷跡に神社を創建しました。
一条天皇は、晴明を「稲荷(いなり)明神」の生まれ変わりと信じていたようです。
その後、応仁の大乱など戦乱で荒廃し、豊臣秀吉の京都整備によって境内が縮小されましたが、幕末から明治にかけて、氏子達が神社の整備に努め、現在のように堀川通に面するまで、境内を拡張することができました。
夢枕獏(ゆめまくらばく)氏著「陰陽師(おんみょうじ)」が映画化されてから、訪れる人が増えています。
- JR京都駅から
市バス9系統に乗り、一条戻り橋・晴明神社前で下車。すぐです。
市バス101系統に乗り、堀川今出川で下車。徒歩3分です。
地下鉄烏丸線に乗り、今出川駅で下車。徒歩12分です。
- 四条河原町から
市バス12系統に乗り、一条戻り橋・晴明神社前で下車。すぐです。
市バス51系統に乗り、堀川今出川で下車。徒歩3分です。
- 自動車で行く場合、駐車場があります。(有料・20分100円)
安倍晴明って、どんな人?
安倍晴明について、歴史上の人物としての記録と、民間に伝わる話とでは、多少くいちがいがあります。
- 歴史上の晴明
921年、摂津国(せっつのくに=大阪)阿倍野に生まれました。父親は安倍益材(あべのますき)です。
竹取物語に登場する右大臣阿部御主人(あべのみむらじ)の子孫とも、遣唐留学生だった阿倍仲麻呂の子孫とも言われます。
陰陽師の賀茂忠行(かものただゆき)・保憲(やすのり)父子に師事して陰陽道を学び、天文道を伝授されました。
陰陽道とは、古代中国で生まれた自然哲学思想で、天の動きと人の世の動きは関連するというものです。その中心思想が「陰陽五行説」です。
この陰陽五行説が日本に伝えられて、日本神道と結びつき、さらに密教の一部を取り入れて、独自の発展をとげました。呪術・占術などの技術体系です。
天文道は、当時の科学・呪術を意味します。
晴明は朱雀天皇・村上天皇に仕えて、占術をよくしました。
冷泉天皇・円融天皇・花山天皇・一条天皇に重用されて、さまざまな陰陽道の儀式を行いました。藤原道長からも信頼されました。
晴明は陰陽道・暦学・天文道・密教・神道の知識に優れ、占術の技術も確かなものでした。
そのため、説話物語や民間伝説に、「スーパー陰陽師」として登場するのです。
- 伝説上の晴明
父親は安倍保名(あべのやすな)、母は葛葉(くずのは)という白狐と言われます。
一条天皇が晴明を「稲荷明神」の化身として祀ったために、このような伝説ができたのか、それとも、狐の子という伝説があったので稲荷明神としたのか、そこは、はっきりしません。
最大のライバルは蘆屋道満(あしやどうまん)、別名道摩(どうま)法師で、呪術の腕を競い合いました。
晴明は、雨乞い・怨霊退治・天狗退治・呪詛(じゅそ)・疫病退散など、奇跡のようなことをいろいろ行ったと、伝えられます。
晴明の手柄話は、歴史書の大鏡・十訓抄、説話文学の今昔物語・宇治拾遺物語に書かれています。
晴明神社の御利益は?
晴明神社の一の鳥居には、「晴明桔梗(ききょう)紋」と呼ばれる社紋が額に掲げられています。
晴明桔梗紋とは五芒星形(ごぼうせいけい)のことで、陰陽道の祈禱呪符(きとうじゅふ)として用いられます。魔除け・厄除けとなります。
晴明神社の御利益は、魔除けと厄除けです。
病気も病魔と考えて、病気平癒の御利益もあります。
ちなみに、2つの三角形を上下逆に組み合わせた六芒星形は、「籠目(かごめ)の模様(もよう)」と呼ばれ、これも厄除け・魔除けになります。
昔は、赤ちゃんや子供の着物に籠目模様がよく使われました。
晴明神社のパワースポット
- 晴明井
安倍晴明が念力で水を湧き出させたという井戸です。
この水には、悪病や難病を治す力があると言われます。
井戸の上には五芒星が刻まれ、下の石畳には北斗七星が描かれています。
水が流れ出る取水口は向きが変えられます。
毎年、神主さんが立春の日に、その年の恵方に取水口を動かします。
毎年、吉祥の水を飲むことができるようにしています。
- 一条戻り橋と式神像
晴明神社には、古い戻り橋の欄干(らんかん)が保存されています。
晴明は一条戻り橋の下に式神を住まわせて、占いをさせたと言います。
式神とは、陰陽師がつかう精霊のことです。
晴明は式神を自由自在に操り、屋敷の中で使っていました。
一条戻り橋は、源頼光の四天王の一人、渡辺綱が鬼女茨木(いばらぎ)に襲われ、その片腕を斬り落としたところです。
かなりうすきみ悪い橋ですね。
- 厄除け桃
桃の実は、古来、日本でも中国でも厄除け・魔除けの力があるとされています。
日本神話では、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が、根の国(冥界)から追いかけてきた鬼を追い払う時に、桃の実を投げつけています。
「桃から生まれた桃太郎さん」の鬼退治も有名ですね。
晴明神社の本殿前の桃の像をなでると、清々しい気持ちになれると言います。
あるいは、身体の悪いところをなでてから、桃にさわると、邪気を吸い取ってくれるので、気分がよくなるそうです。
フィギュアスケートの羽生弓弦選手は、晴明神社に参拝して、絵馬を奉納しました。
邪気をはらい、魔をしりぞけ、吉祥のパワーを得たのでしょうね。